日本原水爆被害者団体協議会(以下、日本被団協)のノーベル賞受賞には、当然のように政府からも祝福のメッセージ他が寄せられるでしょう。
しかし、実は日本は(会議で日本被団協が核兵器廃絶を訴えた)「核兵器禁止条約」に不参加なので、政府のスタンスは日本被団協の活動に「反している」という事になってしまいます。
なぜ、唯一の核兵器による被爆国である日本が、核兵器禁止条約に不参加なのか?
その理由は、外務省のサイトに置かれた資料に置かれた資料にしっかり記載されています。
当該部分を引用します(太字、赤字は筆者によるもの)
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早い話が、アメリカの機嫌を損ねないよう気を使って不参加!という事ですね。
しかし、大虐殺の被害者が加害者に気を使って立ち回るって、つくづく情けなくなってしまいます。
例え日本が米国の抑止力下にある状態でも、唯一の核兵器による被爆国である日本ほど核兵器廃絶に説得力を持つ国はなく、本当であればその立場に米国側が気を使って黙認する、というぐらいでも良いはずです(筋としてね)。
この100%属国マインドでは、同資料の後段に記載されている
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日本政府としては、国民の生命と財産を守る責任を有する立場から、現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に、現実的な核軍縮を前進させる道筋を追求することが必要であり、核兵器保有国や核兵器禁止条約支持国を含む国際社会における橋渡し役を果たし、現実的かつ実践的な取組を粘り強く進めていく考えです。
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そんな役割は永遠に果たせないよなあ(1%でもやるつもりがあったら「核軍縮を前進させる道筋を追求」なんてギャグみたいな表現にはならない!)。
もちろん「自主独立のために、日本も核武装をする余地を残すために不参加」と言うなら筋は通るのですが、その1万歩ぐらい手前なのが現状です。
核兵器禁止条約を批准しているのは現状で73カ国で、核兵器保有国は全て不参加です。一方、ドイツやノルウェーは「オブザーバー参加」しているとの事。
もし「核軍縮を前進させる道筋を追求」の意思が0.01%でもあるのなら、せめてオブザーバー参加してほんの少しでも主体性を出す、という姿勢が必要だと考えます。
「アメリカの核を共有させてほしい」などという考えの現政権には、望むべくもない事でしょうか。