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大須賀淳
2024.10.12 10:22その他ニュース

日本は米への忖度で「核兵器禁止条約」に不参加

日本原水爆被害者団体協議会(以下、日本被団協)のノーベル賞受賞には、当然のように政府からも祝福のメッセージ他が寄せられるでしょう。

 

しかし、実は日本は(会議で日本被団協が核兵器廃絶を訴えた)「核兵器禁止条約」に不参加なので、政府のスタンスは日本被団協の活動に「反している」という事になってしまいます。

 

なぜ、唯一の核兵器による被爆国である日本が、核兵器禁止条約に不参加なのか?

 

その理由は、外務省のサイトに置かれた資料に置かれた資料にしっかり記載されています。

 

外交青書・白書 第3章 国益と世界全体の利益を増進する外交

 

当該部分を引用します(太字、赤字は筆者によるもの)

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3 日本政府の考え
日本は唯一の戦争被爆国であり、政府は、核兵器禁止条約が目指す核兵器廃絶という目標を共有しています。一方、北朝鮮の核・ミサイル開発は、日本及び国際社会の平和と安定に対するこれまでにない、重大かつ差し迫った脅威です。北朝鮮のように核兵器の使用をほのめかす相手に対しては通常兵器だけでは抑止を効かせることは困難であるため、日米同盟の下で核兵器を有する米国の抑止力を維持することが必要です。
核軍縮に取り組む上では、この人道と安全保障の二つの観点を考慮することが重要ですが、核兵器禁止条約では、安全保障の観点が踏まえられていません。核兵器を直ちに違法化する条約に参加すれば、米国による核抑止力の正当性を損ない、国民の生命・財産を危険に晒(さら)すことを容認することになりかねず、日本の安全保障にとっての問題を惹起(じゃっき)します。

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早い話が、アメリカの機嫌を損ねないよう気を使って不参加!という事ですね。

 

しかし、大虐殺の被害者が加害者に気を使って立ち回るって、つくづく情けなくなってしまいます。

 

例え日本が米国の抑止力下にある状態でも、唯一の核兵器による被爆国である日本ほど核兵器廃絶に説得力を持つ国はなく、本当であればその立場に米国側が気を使って黙認する、というぐらいでも良いはずです(筋としてね)。

 

この100%属国マインドでは、同資料の後段に記載されている

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日本政府としては、国民の生命と財産を守る責任を有する立場から、現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に、現実的な核軍縮を前進させる道筋を追求することが必要であり、核兵器保有国や核兵器禁止条約支持国を含む国際社会における橋渡し役を果たし、現実的かつ実践的な取組を粘り強く進めていく考えです。

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そんな役割は永遠に果たせないよなあ(1%でもやるつもりがあったら「核軍縮を前進させる道筋を追求」なんてギャグみたいな表現にはならない!)。

 

もちろん「自主独立のために、日本も核武装をする余地を残すために不参加」と言うなら筋は通るのですが、その1万歩ぐらい手前なのが現状です。

 

核兵器禁止条約を批准しているのは現状で73カ国で、核兵器保有国は全て不参加です。一方、ドイツやノルウェーは「オブザーバー参加」しているとの事。

 

もし「核軍縮を前進させる道筋を追求」の意思が0.01%でもあるのなら、せめてオブザーバー参加してほんの少しでも主体性を出す、という姿勢が必要だと考えます。

 

アメリカの核を共有させてほしい」などという考えの現政権には、望むべくもない事でしょうか。

大須賀淳

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